厚生労働省が認めた高度な医療技術
特定の大学病院などで研究・開発された難病などの新しい治療や手術などは、ある程度実績を積んで確立されると、厚生労働省に「先進医療」として認められます。
先進医療は、公的医療保険の対象にするかを評価する段階にある治療・手術などです。
評価の結果、公的医療保険の対象に移ったり、評価の対象から外れたり先進医療の内容は時とともに変化します。
平成24年5月1日現在、第2項先進医療技術62種類、第3項先進医療技術37種類となっています。
先進医療の技術料は全額自己負担
先進医療を受けると、診察料、検査料、投薬料、入院料などは公的医療保険が適用されます。ただし、先進医療の技術料は全額自己負担になります。
なお、厚生労働省に届け出た医療機関以外で先進医療と同様の治療・手術などを受けても先進医療とは認められません。
また、医療技術ごとに対象となる症状等があらかじめ決まっていますので、該当しなければ先進医療とは認められません。
先進医療と認められない場合は、全てが公的医療保険の対象外となり、診察料を含め全額自己負担となります。
先進医療の例
先進医療技術 | 技術料(1件当たり平均額) | 平均入院期間 | 年間実施件数 |
高周波切除器を用いた子宮腺筋症核出術 | 217,450円 | 12.5日 | 147件 |
局所的に限定された状態の陽子線治療 | 2,676,835円 | 17.8日 | 1,508件 |
がん性の胸水もしくは腹水又は進行がんにおいて自己腫瘍・組織を用いた活性化自己リンパ球移入療法 | 842,604円 | 15.8日 | 39件 |
白内障において多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術 | 518,288円 | 1.3日 | 3,187件 |
統合失調症などに分類されることが強く疑われるうつ症状における光トポグラフィー検査を用いたうつ症状の鑑別診断補助 | 12,108円 | 6.4日 | 703件 |
<中央社会保険医療協議会「平成23年6月30日時点で実施されていた先進医療の実績報告について」を元に技術料を算出>
先進医療の実績
実績報告 対象期間 |
技術数 | 実施医療 機関数 |
全患者数 | 医療費 総金額 |
保険外併用療養費 の総額 (保険診療分) |
先進医療 の総額 |
1入院全医療費 のうち 先進医療分の割合 |
H22.7.1~ H23.6.30 (12ヵ月) |
123 | 522施設 | 14,505人 | 約173.5億円 | 約75.4億円 | 約98億円 | 56.5% |
注:第2項先進医療と第3項先進医療を合わせた実績数。
<中央社会保険医療協議会「平成23年6月30日時点で実施されていた先進医療の実績報告について」/平成24年1月27日>