子供の教育費は、年々上昇しています。
高額な大学費用など、早めに準備することで負担感は減ります。
高額な学資の準備として、学資保険で準備する方法があります。
学資保険・・・
学資保険は、高校や大学などの進学時期に合わせて貯蓄をしながら、万が一の保障にもなるものです。
子供が18歳になるまで積み立てをして、子供の15歳や18歳の時期に満期金やお祝い金が受け取れます。
死亡保障としては、契約者の親に万が一のことがあると、18歳まで支払う予定の保険料が免除されます。
学資保険の種類には、子供の保障(入院保障など)や親の保障(育英年金など)が厚いものなどいろいろあります。
保障がたくさんつけば戻ってくるお金もその分減ります。
貯蓄として学資保険を考えるのか、保障として考えるのかで、選ぶ保険会社も変わりますが、基本的には貯蓄を優先に考える方が多いようです。
中には、支払保険料以上に、戻ってくる学資保険もあり、金利の低い銀行預金などと比べても、安定重視の貯蓄を求めている方には良いかもしれません。
●預金のメリット・・・流動性がある(自由に使うことが出来る)
●預金のデメリット・・・低い金利、金利は20%の税金がかかる。
●学資保険のメリット・・・満期金が、支払保険料より50万円までは非課税など税金面での優遇。中には預金以上のリターンがあるものも・・・。万が一のときには、死亡保障になる。
●学資保険のデメリット・・・流動性がない。積み立て途中でやめると、ほかの用途に使えない。
学資保険のメリットである死亡保障の効果を説明します。
万が一に必要保障額を計算した際に5,000万円の用意が必要な場合、すべてを掛け捨ての死亡保険で用意すれば、割安な保険料にはなりますが、保険期間が終了するときには、お金は戻りません。
一方、教育費の積み立てとして、学資保険で500万円貯まるように準備していたとします。
学資保険は、万が一の際に、保険料の払い込み免除がつくものだと、500万円の死亡保障の用意が出来たことになります。
必要保障額が、5,000万円のうち、500万円は学資保険で準備されているので、掛け捨ての死亡保険は、4,500万円でよいと言うことです。
これが、学資保険のメリットです。
このメリットを考えると、他の貯蓄性の保険で学資を用意するとさらにメリットがあるのがわかります。
終身保険を使った学資資金準備方法です。
終身保険・・・
この保険は、貯蓄性の高い保険ですが、これをうまく利用して学資資金の準備をします。
簡単に言うと、一生涯の死亡保障を途中で解約して学資資金にあてるというやり方です。
ただし、学資保険として準備するには、いろいろと段取りが必要になります。
その前に、終身保険の仕組みを説明します。
終身保険は、保険料の支払い期間を選ぶことが出来ます。
毎月の支払う保険料を少なくするには、終身払いを選択します。
一方で支払い期間を短くする(60歳までなど)と毎月支払う保険料は多くなります。
終身保険は、基本的に保険料の払い込み期間終了後に、支払い以上の解約返戻金が戻るようになります。
学資保険用に準備する終身保険とは、保険料の払い込み期間を、子供の大学入学前などに払い終えられるように設定する必要があると言うことです。
ただし、高いリターンを得るためには、終身保険の中でも、低解約返戻金型終身保険を選ぶ必要があります。
低解約返戻金型終身保険・・・
低解約返戻金型終身保険とは、保険料を支払っている間に、途中で保険をやめると解約返戻金が、支払保険料を大きく下回ります。ただし、低解約返戻金型でない終身保険と比べると、保険料が割安になり、保険料払い込み期間終了後には、通常の終身保険より高いリターンが出ます。
●低解約返戻金型終身保険のメリット・・・
○学資保険以上に死亡保障が大きく準備できる。
たとえば、リターンも支払保険料も同じ学資保険と終身保険があるとします。
学資保険は、保険料の免除のみ、500万円が満期金とします。(500万円が最大死亡保障です。)
終身保険は、リターンも支払保険料も同じで、学資用に使用する解約返戻金が500万円だとすると、死亡保障の額は、おおよそ1.5倍の750万円ほどになります。
戻ってくるお金が同じでも、保障が250万円大きくなるので、必要保障額が5,000万円の時に、学資保険だと掛け捨ての死亡保障は4,500万円必要ですが、終身保険だと掛け捨ての保障は、4,250万円で良いという事です。
学資保険を用意する最大のメリットは、死亡保障にもなると言うことなので、死亡保障の額は大きく取れることに越したことはありません。
○一生涯の死亡保障なので、お金を引き出す時期を保険料の払い込み終了後であれば自由に選べる。
子供の教育費として準備していた保険でも、目的を途中で変えることも出来ます。
自分の老後資金の準備にするとか、葬儀費用として残すとか・・・
据え置くほど、解約返戻金は増え続けていきます。
●低解約返戻金型終身保険のデメリット・・・
○保険料支払い途中で保険を解約すると、解約返戻金が払込保険料を下回ります。
○お金を引き出す時には、保険会社から案内が来るわけではないので、自ら手続きを求める必要がある。
もう一つ、保険選びで注意する必要があるところは、配当などの有り無しです。
現在の金利水準では、このような保険で運用するのは、安定志向の方には、魅力的な商品と言えますが、今後、市場金利が上昇した際に、リターンが固定された商品の場合には、リスクとなることもあります。
保険商品には、配当として、運用環境などで、利益がでた場合に、還元する制度があるので、配当のあるものは、市場金利が上昇した際には、多少は恩恵を受けれる可能性もありますが、無配当の商品だと、確定された金額しか戻らないため、市場金利が上昇した際にリスクになります。
中には、利率変動型の終身保険もあり、日本国債の10年もの応募者利回りのレートに連動して毎月予定利率を見直すものもあり、最低保証がある安定型の運用商品では、金利上昇にも備えられる商品だと思います。
学資保険や終身保険など上手に利用することが出来れば、銀行預金などより優位性はある商品もあります。
大切なのは、途中で挫折することの無いようにしっかりとライフプランの計画を立てて、その他の支出に備えながら上手に積み立てをすることです。